Narielのゆる日記

日常や趣味のことをゆるく書いていく日記

やべぇ少女の話かと思ったら

 これまでも何冊か湊かなえさんの作品は読んだことがあったんですけど、今回はこの一冊を。

 

 人の死ぬ瞬間が見たい、という二人の女子高生がお互いにその思いを隠しながらも願いを叶えるために行動するというお話。

 この話だけだと、大分中二病な女子高生だなっていう感じがしますね。友達が自殺したっていう話を「自慢げ」にしているように見えたから、自分も同じ体験がしたいみたいなこと言い出すんで、なんかやべぇ奴だなと。

 そのためだけにわざわざ病院に読み聞かせのボランティアに行くっていうあたりがまたガチっぽい感じです。でも、読み進めていくうちにボランティア先の病院で知り合った子供達からある頼み事をされます。自分が理想とする死を見るため、女子高生はその頼みを聞くことにしますが…。

 

 重い病気で、入院している子供達の最期を見ことになるので、胸くそ悪い展開になるかと思いきや、全く予想していなかった方向に事態が動きます。本当に最後の最後の方になって、「えっ!?何それ!」的な超裏切られる(良い意味で)展開でした。最後まで読んでいって、そこまで関係の深くなかった登場人物達のとある関係が浮かび上がってきて、うわぁ、こういう繋がりなの?とうならされます。しかも、解説ではさらにこの本にはある「しかけ」があることが書かれていて…

 

 解説読んでから「マジか!?」と思ってちょっと見返しました。確かに「しかけ」があるのに全然気付いてなかった。そしてその「しかけ」を知って、また改めて驚かされるという、本当に面白い作品でした。普段、解説とか後書きから読まれる方は、「しかけ」の部分を先に知ってしまうことが無いようにご注意ください。